「ホーウィン社コードバンを使った万双らしい製品とは何か」。
試行錯誤を続けた結果、行き着いたのが、外装にホーウィン社コードバンを、内装にクロムエクセルレザーをふんだんに使う、ホーウィン社が誇る“ダブル主役”を迎えた仕様。
コードバンは、独特の濡れ感が味わえるよう特別な艶出し仕上げを施したものを採用。さらに、おそらく世界初となるホーウィン社のロゴ刻印を施すなど、他では見られない製品に仕上げました。
デジタル化やペーパーレス化が進んでも、ビジネスシーンでなかなか減らないのが、名刺のやりとり。
ビジネスマン必携のツールとして、シンプルでありながら、収納力と名刺の取り出しやすさを追求し、鞄屋だからこそ成し得た仕様を実装しています。
ダブルホーウィン 名刺入れのご紹介
Product introduction商品の特徴
Feature
01 クラシックなバッグから着想を得た、見たことのない構造
ご覧になっていただくとおわかりの通り、名刺収納部分が2つの箱を連結させた3室構造にしています。これにより名刺の収納力を格段にアップするとともに、連結部分を折りたためるようにすることで、被せで留めれば厚みを抑えられる仕様になっています。
また収納室を箱型にすることで名刺が整然と収納でき、出し入れも容易に。
たかが名刺入れ、されど名刺入れ。まさに、鞄屋だからこそ発想できた逸品と自負しています。
02 コードバンとクロムエクセルを縫い合わせるという、絶え間ない緊張
万双では、手縫いとミシン縫い両方の長所を兼ね備えた縫製にこだわり「菱縫い」を採用していますが、ホーウィン社コードバンのように繊維がギュッと詰まった硬い革は、簡単に縫製させてくれません。
また内装に採用しているホーウィン社のクロムエクセルは、一枚もののベルトなどで使われる4mm厚(通常は2ミリ程度)を漉いて使用。厚いぶんコシ感が非常に強く、真っ直ぐ針を落とさないとすぐに針が折れてしまいます。
さらに、ホーウィン社のコードバン・クロムエクセルともに油分をたっぷり含んでいます。そのため革を貼り合わせた状態で縫製すると、ズレたり隙間ができやすく、稀少な革を台無しにしてしまう恐れがあります。
コードバンとクロムエクセルを貼り合わせ、寸分の隙間もズレもなく縫い合わせるという作業は、それほど絶え間ない緊張を伴います。
万双が誇る高度な技術をもった職人が、一針一針、丁寧にじっくりとミシンを走らせてこしらえた製品を是非お楽しみください。
03 革小物でも手を抜かない「捻(ネン)引き」と「コバ磨き」
こちらの名刺入れは、革の縁に細く深いライン(溝)を引く「捻(ネン)引き」をカード段の縁などに施しています。 捻(ネン)は装飾的な意味もありますが、コバ磨きで使う蜜蝋を革の中まで染み込ませることができ、コバの毛羽立ちを起きにくくし、さらに耐水性を上げる効果があります。
またコバが傷ついてしまっても何度でも磨き直しが可能なように、手間ひまをかけて丁寧にコバ処理を施しています。
いずれも作業としては非常に手間がかかりますが、長い間使っていただくためには、こうした細かい作業の積み重ねが必要だと考えています。
04 おそらく世界初であろうホーウィン社のロゴ刻印
刻印は「FAMOUS LEATHERS Horween」のロゴと、「SHELLCORDOVAN&CHROMEXCEL」の組合せ。
ホーウィン社には刻印に関する厳格なレギュレーションがあり、本来はシェルコードバンにはシェルコードバンの、クロムエクセルにはクロムエクセルの刻印しか押せません。
しかしどうしても「コードバンとクロムエクセルの両方が主役であることを証明したい」とホーウィン社側に何度もプレゼンをし、今回の刻印が実現しました。
おそらく世界初となる刻印を、ぜひその目でお確かめください。
※こちらのページの写真は、サンプルを撮影しているため、ホーウィン社のロゴ刻印がありませんが、お届けの商品は内側に刻印がされます。
05 400年以上の歴史を誇る独メーカーのホックを採用
当シリーズのホックはすべて、ドイツの老舗金具メーカー「PRYM社」製品を使用しています。
その歴史は400年以上で、あの「ドイツホック」を製造していたりと、革製品愛好家にはお馴染みの金具を提供し続けているメーカーです。
その製品の特徴は、美しい仕上がりだけでなく、形状記憶に優れ、しっかりと閉じることができる信頼性の高さ。
まさに質実剛健な、素晴らしいホックを是非お楽しみください。
06 コードバン独特の濡れ感が味わえる定番の2色展開
コードバンは、ホーウィン社が丁寧に艶加工を施したものだけを使用しているので、革靴で見られるような独特の濡れ感をご堪能いただけます。
カラーは「ブラック」「ダークブラウン(ナンバー8)」という、ホーウィン社でも定番となっている2色をご用意。ホーウィン社コードバンを使った靴と、合わせてお使いいただけます。
革の紹介
Mansaw’s Leather
シェルコードバン
「シェルコードバン」は、アメリカのシカゴにある老舗タンナーホーウィン社(HORWEEN)が手がける革です。
農耕馬の臀部にある高密度な層(コードバン層)を削り出して作られますが、通常のコードバンに比べ重厚に光る艶があり、その光沢が貝(シェル)のように独特な美しい輝きを持つことから、この名前が付けられたと言われています。
非常に手間と時間をかけて製造されるため、一般の皮革や他のコードバンと比べて希少価値が高いのが特徴。
さらにシェルコードバンは、折り曲げなどへの耐久性を高めるために油分を十分に浸透させており、他のコードバンよりもしっとりした風合いが楽しめます。
シェルコードバンに使用するカラー剤はアニリン染料のみ(顔料は一切使用しません)。そのため、色味の染まり具合に多少ムラが生じますが、その奥に見える美しい透明感もまた、アニリン染めの特徴です。
また、使用による摩擦や紫外線などにより独特の光沢や艶が出てくるなど、使い方によってエイジングが変わるのも、シェルコードバンならではの魅力と言えるでしょう。
クロムエクセル
コードバンとともに、ホーウィン社が誇る有名な革の一つである「クロムエクセルレザー」。
100年ほど前に開発された「コンビ鞣し」という手法で牛の原皮をじっくりと鞣した後、牛脂・蜜蝋・植物性脂・魚脂など4種類以上の油脂をブレンドした特製オイルを塗りこみ、仕上げには、牛脚の脂肉と骨から抽出した牛脚油でコーティングをしています。
こうして仕上げられた革はたっぷりと油分を含み、柔軟で耐水性に優れるだけでなく、その質感や重厚感は他の革とは比べられない独自の雰囲気を醸し出しています。
メンテナンスについては、初めから油分を多く含んでいますので、革が乾燥した際に無色のクリームをごく少量塗布し、柔らかい布で軽く乾拭きをする程度で十分です。
多量の油分は、染みの発生や、革の風合いを損ねる原因となりますので、十分にご注意ください。
商品詳細
Detail
| 素材 | コードバン(ホーウィン社) |
|---|---|
| ライニング | クロムエクセルレザー |
| サイズ | W10.5/H7.2/D2.3(cm) |
| 重量 | 62g |
| 機能 | 名刺入れ×3 |
| ご留意事項 | ・革の表面に革の製造工程でついた、小さい傷やこすれが付いていることがあります。 ・革本来のシワ(トラ)があることがありますが、天然の証で、不良品ではありません。 ・シェルコードバンの個性でもある、色むらや艶の有り無しの個体差があります。 ・革の表面に、ピンホールと呼ばれる、小さな穴が見受けられますが、こちらは毛穴の跡で不良品ではありません。 ・革のロット違いによる色むらがあります。 |



