「ダブルホーウィンシリーズ」の名刺入れを購入いただいたお客様から、「ブライドルレザーのバージョンも見てみたい」という声を思いがけないほど数多くいただき、商品化に踏み切ったのが、こちらになります。
商品化にあたり仕様を一部変更。名刺収納部を2室構造にし、またバッグ同様にメインポケットの内張りにピッグスエードを使用するなど、より高級感を増しています。連結部分を折りたたみ被せで留めれば厚みを抑えられる仕様や、片側の収納室を箱型にすることで名刺が整然と収納できるところなど、クラシックなバッグから着想を得た仕様については、そのまま生かしています。
たかが名刺入れ、されど名刺入れ。まさに、鞄屋だからこそ発想できた逸品だと自負しています。
これまでの名刺入れは、内装のパーツにヌメ革を使用してきましたが、こちらは、よりブライドルレザーの重厚感や迫力を打ち出すために、全面にブライドルレザーを使用しています。
ブライドルレザーはとても硬く厚みがある革です。加工前は、まるで木の板のようです。内装にも使用するとなると、特に革小物はどうしてもボテッとした厚みが出てしまう。それに縫製や加工も一段と困難になります。
しかし、何度もサンプルを作成することで適正な革の厚みを探り出し、さらに高度な癖付け技術の習得やミシン針の微妙な調整など、職人のたゆまぬ向上心と工夫により、さまざまな問題をひとつずつクリア。内装にもブライドルレザーを使いながら、シャープな印象の名刺入れの製品化が可能になりました。
商品の特徴
Feature
01
じっくり緩やかにエイジングする
ブライドルレザーを全面に使用
世に出回っているブライドルレザーの中には、ツルっとした質感を出すために顔料仕上げを施したものもありますが、その場合、使っているうちに顔料が割れてきてしまうという問題をはらんでいます。 そこで万双では顔料を使用せず手間のかかる染料仕上げを採用、これにより使い込んでも表面の割れが発生しません。 さらにじっくり緩やかにエイジングをしていくので、ビジネスシーンでも違和感なく長く愛用いただけます。 こちらの商品は、外装だけでなく、内部の各パーツやホックの被せに至るまで、このブライドルレザーを使用。 「オールブライドル」の名に恥じない仕上がりになっています。
02
言うことを聞かない硬い革に
針を真っ直ぐ落とす
皮革製品は手縫いの方がミシン縫いより優れているように思われがちですが、手縫いが全てにおいて優れている訳ではありません。 万双では、手縫いとミシン縫い両方の長所を兼ね備えた縫製にこだわった結果、「菱縫い」を採用していますが、ブライドルレザーのように繊維が締まった硬い革は、簡単に言うことを聞いてくれません。 真っ直ぐ針を落とさないとすぐに針が折れてしまうため、一針一針、丁寧にじっくりとミシンを走らせています。
03
革小物でも手を抜かない
「捻(ネン)引き」と「コバ磨き」
こちらの名刺入れは、革の縁に細く深いライン(溝)を引く「捻(ネン)引き」をカード段の縁などに施しています。 捻(ネン)は装飾的な意味もありますが、コバ磨きで使う蜜蝋を革の中まで染み込ませることができ、コバの毛羽立ちを起きにくくし、さらに耐水性を上げる効果があります。 またコバが傷ついてしまっても何度でも磨き直しが可能なように、手間ひまをかけて丁寧にコバ処理を施しています。 いずれも作業としては非常に手間がかかりますが、長い間使っていただくためには、こうした細かい作業の積み重ねが必要だと考えています。
04
400年以上の歴史を誇る
独メーカーのホックを採用
ホックには、ドイツの老舗金具メーカー「PRYM社」製品を使用しています。 その歴史は400年以上で、あの「ドイツホック」を製造していたりと、革製品愛好家にはお馴染みの金具を提供し続けているメーカーです。 製品の特徴は、美しい仕上がりだけでなく、形状記憶に優れ、しっかりと閉じることができる信頼性の高さ。 まさに質実剛健な、素晴らしいホックを是非お楽しみください。
05
開いた時の上質感を演出する、
メインコンパートメントのピッグスエード
当シリーズでは「ブライドル シングルブリーフケース」同様、全ての製品のメインコンパートメントの内張りに、スエードを採用しています。 製品を開くたびに、ブライドルレザーの硬質感と対をなす温かみと、独特の上質感を楽しんでいただくためです。 素材は豚革をクロム鞣しで加工し、サンドペーパーなどで起毛させたピッグスエード。牛のスエードよりも繊維が細かく手触りが良いため、高級感があるだけでなく、摩擦にも強く、長年の使用にも耐えうる万双製品にはお馴染みの素材です。 なおブライドルレザー各色ごとに、スエードの色も変更。生産効率はおちますが、ブライドルレザーとの素晴らしいハーモニーをお楽しみいただけると確信しています。
06 カラーバリエーションは6色ご用意しています
ご利用されるシーンやお好みの色、ラッキーカラーなどになるべく対応できるよう、カラー展開は「ブラック」「ダークブラウン」「キャメル」「ネイビー」「ダークグリーン」「ボルドー」の計6色をご用意。複数持ちして使い分けるのもお洒落ですね。
革の紹介
Mansaw’s Leather
ブライドルレザー
もともとは英国にて馬具用に開発された、非常に堅牢な革の一つ。万双では、本場英国の厚みのある本物の素材を使用し、重厚な仕上がりと長年ご愛用いただける耐久性を実現しています。世に出回っているブライドルレザーの中には、ツルっとした質感を出すために顔料仕上げが施されたものもありますが、使っているうちに顔料が割れてきてしまうという問題をはらんでいます。そこで万双では顔料を使用せず、より手間のかかる染料仕上げを採用。これにより表面の割れは発生せず、さらにじっくり緩やかにエイジングをするので、より長く愛用していただけます。最初は蝋が残っているため、プレケアとして乾いた柔らかい布、または柔らかめの馬毛ブラシで磨くか、万双エイジングクリームを併用して、お手入れをしていただくことをおすすめします。
商品詳細
Detail
| 素材 | ブライドルレザー |
|---|---|
| ライニング | ピッグスエード |
| サイズ | W10.7×H7.0×D2.0(cm) |
| 重量 | 63g |
| 機能 | メインポケット×1,スリットポケット×1 |
おすすめのエイジングクリーム
新作アイテム
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New Serise万双について
About Mansou
“独創的でありながら、普遍的な粋を語れる革製品メーカーであり続ける”
手間ひまをかけて丁寧にコバ処理がされている製品は、コバが傷ついてしまっても何度でも磨き直しが可能なため、何十年と使用された製品も、コバ磨きをすることで再び輝きを取り戻し、長くお使いいただくことができます。
クロコダイルの革はクロム鞣しのため、タンニン鞣しと比べるとコバが綺麗に仕上がりにくく、万双では通常の倍近い時間をかけ、財布の命とも呼ばれるコバを丁寧に磨き上げ、最高に贅沢な仕上げを実現しています。
秀麗で堅牢たるステッチ
皮革製品は手縫いの方がミシン縫いより優れているように思われがちですが、手縫いが全てにおいて優れている訳ではありません。
万双は、手縫いとミシン縫い両方の長所を兼ね備えた縫製に拘り続けました。
その結果、万双が採用しているのが「菱縫い」。
刃物で切るように、スッと革に菱型の縫い目を開け、ここに糸を通してキュッと締め上げると、糸が斜めになって収まる。これを丹念に繰り返していくと、一目一目が綺麗に斜めになった縫い目ができあがります。
「見た目が美しく耐久性に優れたステッチ」。
これが万双の「菱縫い」の特徴です。
厳選された部品の数々
商品細部にこだわり、実用性とデザイン性のバランスを絶えず意識しながら、最高品質の製品を提供する万双。
この飽く無き追求心は、製品の細部にも宿っています。
たとえば、鞄の持ち手。一般的にはゴム芯やアルミ合金などに革を巻き付けて作られるものが多いのですが、万双が採用しているのは、革を積み上げ削り出した持ち手。
革の塊を積み上げた後にくり抜き、さらに鉋を用いて曲面を調整。こうして生み出された持ち手は、手のひらへの馴染みが心地良く、また使い込むほどに、使い手に合ったハンドルへと変化していくのです。
そのほかにも、鞄に使用する金属は、すべて真鍮の削り出しを使用するなど、万双では、常に製品全体のバランスを考え、労を惜しむことなく、何を採用するのが最善であるかを常に考え製作を行っております。
手間を惜しまないコバ処理
手間ひまをかけて丁寧にコバ処理がされている製品は、コバが傷ついてしまっても何度でも磨き直しが可能なため、何十年と使用された製品も、コバ磨きをすることで再び輝きを取り戻し、長くお使いいただくことができます。
万双では、製品をご購入いただいたお客様と共に製品を育てていくという考えに基づき、コバ処理には一切の妥協をいたしません。
拘り抜いた道具
使用する道具は、ヨーロッパ製から日本製まで世界各国の厳選された逸品が並びます。
職人は、自分のスタイルにあった道具を選び、自分自身の確立されたスタイルで製品を組み上げるのです。
また、持ち合わせの道具では上手く製品を組み上げることが困難な場合、職人自らが、何年もかけて納得のいく道具へと改良を施します。
徹底的に完璧な組み上げにこだわった、万双の職人らしい発想であると思います。
万双が、あえて製品にブランドマークを刻まない理由
万双の使命は革に新たな息吹を与え、末永くご愛用頂ける製品を提供し、お客様と共に育んでいくことであると考えております。
革は、身につけていくうちに、ご自身だけの皺や傷が刻まれ表情が変わっていきます。
万双が、あえてブランドマークを製品に刻まなくとも、ご自身の生きた軌跡が革に刻まれていくのです。
情熱至上主義
技術の修得は、職人になるために必要不可欠です。時間をかけて経験を積めば、職人の基礎的な技術は身に付ける事ができるでし。しかし、技術と経験に加えて忘れてはいけないのが「情熱」。
本当に才能のある職人は、対象物に対して「情熱」を持ち続ける職人の事を指すのではないでしょうか。
製品の企画、組み上げ、メンテナンス、全てに全力で取り組む万双の職人。
万双は職人の高い技術と経験、そして「情熱」によって支えられているのです。
万双 店舗一覧
Shop Listお持ちの万双製品を店舗・アトリエにご持参いただければ、
その場で万双オリジナルのエイジングクリームを使用したメンテナンスを行わせていただきます。
また、革の種類や状態にあわせてご自宅でできるケアやエイジングについて、
専門家がアドバイスさせていただきますのでお気軽にご相談ください。
東京店
狭い店舗ですが、実際に世界最高の革と製品を手にとってご覧いただけます。ホームページ上ではお伝えする事のできない製品の良さや革の説明、製品の見分け方など、色々興味深い事をお客様にお伝えする事が出来ます。是非ご来店下さい。



