理想のキャンバス生地へと辿りつく旅路は、
新しいリュックの企画から始まりました。
従来のようにカジュアルだけでなく、
ビジネスシーンでも
使われるようになったリュック。
万双でもこれまでいくつかの商品を
企画販売してきましたが、
「革製では気温が高い日や雨の日には使いにくい」
といったお客様からの声が日に日に多くなり、
革に代わる素材を使ったリュックを
企画することに。
見渡せば、大半がナイロン素材を使ったリュックだったため、
「きっと飽きてきた方が多いに違いない」と思案。
それならと、革同様にナチュラルな風合いと
エイジングが楽しめる「キャンバス生地」を使った
リュックを作ることにしたのです。
しかしいざリサーチをしてみると、
一般的に出回っているキャンバス生地は、
我々が理想とするものからはほど遠いものばかり。
表情に乏しく、質感もノッペリとしており、
「これでは、革の豊かな表情や、
奥行き感に慣れたお客様には満足いただけない」と、
ダメ出しを続ける日々が続きました。
それでも足を止めることなく探し続け、
ようやく出会ったのが、
だったのです。
古代エジプト発祥とされ、
船の「帆」からの起こり
古代エジプトがその発祥とされていますが、
日本では「帆布（はんぷ）」と呼ばれていることからもわかる通り、
織田信長が初めて船の帆として使った亜麻帆布が起源と言われています。
そして江戸時代末期には綿帆布へと発展、一気に全国へと広まっていきました。
明治時代に入ると、シートやテント、学生の鞄、
職人が使用する道具袋、牛乳の配達袋、一升瓶入れなど、
幅広い産業やシチュエーションで利用されるように。
また戦時中には軍服や武器のカバーなど、
頑強さが必要なツールとしても利用されたそう。
そして現代に入り、財布や靴、武術の練習に用いる拳法着、
キャンプ用のテントなどに使用されるなど、
キャンバス生地は、あらゆるシーンで不可欠な存在になっています。
キャンバス生地とは
麻やコットン生地などで作られる厚手の平織り生地を指します。
伸縮性は高くないものの、強度や耐久性が高くなるのがその特徴です。
糸に宿る秘密
「児島キャンバス」が、
一般的なキャンバス生地と比べて明らかに違うのが、
その豊かな表情と奥行き感。
一見すると無地ですが、濃淡の色が混ざり合った深みのある
独特な表情を見せ、モダンな雰囲気を生み出しています。
原料には、アメリカ・カリフォルニア州で栽培された、
繊維長が約32ミリある上質な長綿「サンホーキン綿」を使用。
プランド綿の中では最高クラスの強度を誇り、上品な光沢を放つことから、
この高級綿を何色かに染め分け、混ぜ合わせて紡績した「杢糸」を、
今では希少となったシャトル織機により高密度セルビッチ帆布規格で製織。
1台の織機から1日1反を丹精に織り上げ、緻密で地厚な帆布の特徴を活かしながら、
ふっくらとした風合いに仕上げているのです。
「児島キャンバス」が生み出された岡山県倉敷市の平野部は、
400年前まで一面の海でした。
江戸時代から始まった干拓によって海は陸地になり、
そこで塩分に強い綿やイ草などの作物を栽培。
それらを原料として、倉敷の繊維産業は花開いたのです。
明治時代になると、政府によって民間紡績業の育成が奨励されたことから、
国内最初の民間紡績所が創設されるなど繊維産業は大きく発展。
伝統産業として育まれた紡績、撚糸、織り、染色、縫製などの技術は、
大正時代以降に服装の洋風化によって急速に広がった
学生服の製造に活かされ、昭和30年には全国の学生服の7割を
倉敷市児島産が占めるまでになりました。
さらに学生服の製造で培った各種技術を生かし、
昭和40年には国内初のジーンズを生産。
といわれるまでになりました。
こうして綿花の栽培が盛んだった岡山県倉敷市児島地区は、
撚糸などの技術を活かして
日本一の綿帆布の生産地として成長を遂げ、
日本で生産される帆布の約7割が
この地区で作られるまでに至ったのです。
他では真似できない生地を
生み出し続けるという矜持
「繊維の街に生まれた会社である以上、世に新しい生地を世に提供し続けるのが、私達の使命だと考えます」。
「児島キャンバス」を手がける製織会社は、大正10年創業、岡山県倉敷市児島に居を構えます。その最大の強みは、「オリジナリティのある
生地を作り出す企画力にある」と、社長は胸を張ります。
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生地への探求と開発
洗い加工などジーンズの加工を取り入れた帆布など、児島産地の特徴を活かした生地の開発を得意としてきましたが、それにとどまることなく、再生ポリエステルを採用しながら天然素材のようなメランジ感のある生地や、リサイクルナイロン100％使用のツイル生地など、多種多様な生地を開発。
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様々なメーカーで採用される
裏打ちされた品質社長をはじめ、スタッフそれぞれが常にアイデアを出し合いながら、新しい生地を開発し続け、現在では東京・大阪を中心に多くのアパレルメーカーに採用されています。
革以外の素材を採用することで、万双の製品群に新しい風を吹き込みたい。
それが「児島キャンバス」を採用した想いです。
ただ、キャンバス生地を使った製品を作るだけなら他社でもできるでしょう。
革以外の素材を採用するのであれば、その特徴を最大限に引き出した上で、
さらに万双らしさを追求していきたい。
私達はそう考えています。
万双の新しい挑戦にご期待ください。
児島キャンバスリュック
49,500(税込)
45,000(税抜)
メインの素材はキャンバス生地ながら、革を贅沢かつ大胆に使っているところが最大の特徴。 前胴部分に大胆に配置するだけでなく、グリップや、ファスナーの引き手、さらには背負っているうちにキャンバス生地が擦り切れないよう背中面の下部にも使用するなど、革の機能性や耐久性の高さを存分に活かしています。キャンバス生地と革のコンビネーションによる、万双のアイデンティティを追求したビジネスリュック。実際に背負っていただき、実力のほどをぜひ体感ください。
児島キャンバス
使用した商品一覧
万双の新シリーズ
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